透析が長くなると、動脈硬化・石灰化、副甲状腺機能亢進症、透析アミロイド症(手根管症候群)、かゆみや心不全、悪性腫瘍など様々な合併症が起こってきます。これらの症状をなるべく早く発見・治療ができるように、当院では超音波検査(心臓、腹部、頚動脈、甲状腺、シャント、関節、下肢静脈、腎動脈)、脈派3誘導、骨密度、足観察(フットケア)といった検査を定期的に行っております。
また、身体能力の低下した方への理学療法士・作業療法士によるリハビリも積極的に行っております。
透析を長く行っていると、β2-ミクログロブリンからアミロイドと呼ばれる物質が生じ、骨、関節、腸など全身に沈着してきます指がしびれたり、握力が低下する手根管症候群や手足のしびれ、運動障害などの破壊性脊椎関節症が代表的な症状です。
腎不全になると血中のカルシウム濃度が低下し、リンも排泄されなくなるため、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、二次性副甲状腺機能亢進症となります。骨がもろくなる、関節が痛むなど、多くの症状が出てきます。
わが国の透析医療は世界的に見ても最高水準ですが、週3日、4~5時間ベッドで寝たままの治療には弊害も生まれます。体力の低下をはじめ足のむくみ、関節疾患や血管疾患などの合併症です。予防的リハビリテーションとして自転車エルゴメーター運動やゴムチューブでの筋力回復運動、むくみを軽減させる空気圧治療など患者さんに無理のない範囲でのリハビリテーションを提供させていただいております。